CASE11 SGSジャパン株式会社様「多様性を事業戦略に活かすために」

インタビュー調査・研修

多様性を事業戦略に活かすべくマイノリティの声を知り、届ける

[実施概要] 1.外国籍社員及び女性社員へのインタビュー調査
     2.Manager層向け研修

クライアント概要

  • SGSジャパン株式会社
  • 設立:1987年(昭和62年)6月23日
  • 資本金:1億円
  • 従業員数:330名

https://sgsjapan-portal.jp

SGSの歴史は1878年にフランスで穀物の輸出入監督サービス会社として設立後、1915年にSGS本社機能をスイス国ジュネーブ に移転。1987年にSGSグループによる100%出資にて、ISOの審査と認証を行う日本法人株式会社エスジーエスを設立。2003年に現在のSGS ジャパン株式会社と名称変更。

SGSグループとしてのDE&I方針や女性管理職比率の目標値なども明確に発信がされており、SGSジャパン株式会社の女性就業者比率は40%(2024年時点)、女性管理職比率も36%(2024年時点)と日本企業平均(全業種平均:12.7%)と比較しても高い水準にある。今後、採用競争力の強化や多様性を事業戦略として活かすべく、DE&I施策実行を行っていく方針。今回はマイノリティである外国籍社員やフロントラインの女性社員の声を拾うべくインタビュー調査を実施した上で、Manager層への意識づけに向けた研修を実施しました。

写真左より弊社 室田、SGSジャパン株式会社 村瀬様

実施概要

  1. 外国籍社員及び女性社員へのインタビュー調査
    • 目的:今後のDE&I戦略の策定に向けた現状把握と今期実施予定のマネージャー層向け研修コンテンツに向けた初期ヒアリング
    • 実施期間:2024年11月7日~11月29日
    • 対象者数:28名
      • 外国籍社員:14名
      • 女性社員:20名(重複社員:6名)
    • 実施方法:オンラインにて1対1にて実施
  2. Manager層向け研修
    • 研修テーマ:アンコンシャスバイアス
    • 実施日:2025年3月18日(3時間)
    • 対象者:Manager層
    • 研修コンテンツ概要
      • インタビュー調査結果報告
      • アンコンシャスバイアスとは
      • アンコンシャスバイアスケーススタディ
      • アンコンシャスバイアスから脱却するために必要なこと
      • ディスカッション(テーマ:カスタマーハラスメント)
      • まとめ
研修風景

今回は人事総務部長の干場様と人事総務部のD&I推進担当者である村瀬様にお話を伺いました。

インタビュー、研修を実施した背景・きっかけ

室田

今回インタビューや研修を通じてDE&I推進に向けた取り組みを再開しようと思われた背景について教えていただけますか?

村瀬

当社のD&I推進が動き出したのは2022年です。社内でDE&I宣言を打ち出し、セミナーの実施などを行いました。ただ、その後担当者が不在になってしまい、少し停滞していました。2023年は再始動に向けた準備を行い、今年(2024年)から本格的に再始動として社員へのヒアリングやManager層向け研修を実施することができました。

室田

再始動に至った背景には、どのような思いがあったのでしょうか?会社として推進したい気持ちはありつつも、リソース的な課題があったのでしょうか?

干場

おっしゃる通りです。グローバルでは女性管理職の比率などのKPIがあり、そのKPIに照らし合わせるとSGSジャパンとしては必ずしも遅れている状況ではなかったので、早急に進めなければという強いプレッシャーはありませんでした。一方で担当者の入れ替わりで活動が停滞していたものの、比率は年々高くなっており、外国籍社員も増加傾向にありました。今後さらに社員の多様化が進む中で、組織として多様性を力に変えていくためにはDE&Iは避けて通れないテーマだと感じ、改めて取り組む判断をしました。

今後の方針

室田

今後に向けては、どのような施策を検討されていますか?

村瀬

ここ最近話題に上がっているのは、「女性でリーダーになりたい人が少ない」という点です。そこに向けた施策が必要だと感じています。また、今回のインタビューでも「そもそもSGSがDE&Iに取り組んでいることを知らなかった」という声も少なくありませんでした。社内認知度をどう高めるか、そしてそういった情報を体系化して社内に発信していくことも、今後取り組んでいかなければいけないなと感じています。

室田

女性リーダーが少ないという課題については、干場さんはどうお感じになっていますか?

干場

部門によって偏りはありますが、サクセッションプラン(社内の重要ポストを担う人材の育成プラン)を作ると、候補派はやはり男性の方が多くなってしまう。その背景には「リーダーを目指したい」と思っている女性部下が少ないという課題があると思います。女性社員の比率自体は高いのですが、年齢層も高いこともあり、「今さら管理職は目指さなくても良い」と思っている方が多いのが実状です。

室田

意欲がない中での女性の管理職登用は難しい課題ですね。現状の採用状況はいかがですか?

干場

ここ2〜3年は、特に専門職で若い世代の採用が増えています。そのため今後は採用とオンボーディングを紐づけたDE&I推進(例:入社1年後のフォローアップ)なども効果的になるかもしれません。今後は採用後もフォロー施策も検討したいと思っています。

室田

なるほど、ありがとうございます。今後、女性社員が増えていくことで、社内外のハラスメント対応など新たな課題も出てくるかもしれませんね。そうした点も含めて、引き続き一緒に考えていければ嬉しいです。

フィードバック [1.外国籍・女性社員向けインタビュー]

室田

今回のインタビュー結果を受けて、率直な感想を伺えますか?

干場

インタビュー結果については、概ね想定通りだったかなという印象です。特に職種別の課題や、外国籍社員、女性社員が感じている部分については、個別に把握していた内容と大きくはズレていませんでした。

室田

インタビューを通じて「やっぱりこういう声があるんだな」と改めて認識する機会になったという感じですね。特に職種ごとの課題については既に対応はされているとはいえ、まだまだ改善の余地があると感じました。

干場

はい。女性社員の声では、カスタマーハラスメントや、ちょっとした発言に不快感を覚えるケースがあるといった指摘もありましたね。深刻なものばかりではありませんが、そうした小さな声にも耳を傾ける必要があると感じました。

室田

そうですね。インタビュー時に職場の人間関係やプライベートな話を上司にどのように伝えればいいかなど具体的な不安を口にされる方もいらっしゃいました。これは職場内のコミュニケーションの不足による影響だと思われます。コミュニケーション不足は上長の意識ももちろんそうですが、業務過多も大きな影響を与えます。今回のインタビューで職種や部署による課題の差が見えたのも印象的でした。そうした課題に対しては、全社横断的な施策や部門間の連携も鍵になりますね。実績ある部署の事例を他に展開するような動きも効果的だと思います。

村瀬

はい。全体の傾向として何か共通する課題があるというよりは、個人個人で抱える課題が多く、今後の優先順位づけが難しいという印象です。ただ今回インタビューを行ったことで、「このような機会を設けてくれてありがとう」と感謝の言葉をもらえたこともありました。インタビューを実施したこと自体は一定の効果があったと捉えているので、今後この結果を踏まえてどう繋げていくかを考えていきたいと思います。

室田

そうですね。特に大企業だとアンケートやインタビューを実施するだけで終わってしまい、実際の施策に繋がらないという声も多いので、小さなアクションでも、何か動いている実感が得られると良いですね。

フィードバック [2.アンコンシャスバイアス研修]

室田

続いて研修の振り返りをお願いします。弊社としては、参加者の皆さんから前向きなコメントをいただけて大変嬉しく思っております。3時間にわたる長丁場の研修でしたが、「部下との接し方を見直すきっかけになった」といった声も聞かれたので、それぞれ気づきや学びの多い研修になったのではと思っております。

干場

正直、最初は「人事に言われたから来た」みたいな空気になるのかなと思っていたのですが、ふたを開けてみたら皆さん真剣で、ケーススタディでも時間が足りなくなるくらい積極的に議論が展開されていましたね。

室田

そうなんです。私から止めないと議論が終わらないほど盛り上がっていましたね。今回のケーススタディで印象的だったのは、4名の候補者のうち、誰も「1人目」を選ばなかったことです。ケーススタディに登場する1人目の人物像、典型的な“これまでの管理職像”だったのですが、時間をかけて横比較すると選ばれない。でも現場の昇進では、こうした人物が“なんとなく”選ばれてしまう現実がありますよね。そこにはアンコンシャス・バイアスや自分自身の評価軸が曖昧であることが影響していると思います。「意欲が高そう」「わかりやすい成果がある」といった理由で、無意識に候補者をフィルターにかけてしまっているんです。だからこそ、マトリックスなどを導入し、評価軸を可視化したうえで、どんな視点で評価しているかを言語化しないと、組織全体で公平な判断ができないのです。貴社にはすでに多くの女性管理職がいらっしゃいますが、今後さらにフロントラインで外国人を含む多様な人材がプロモーションされるには、「エクイティ」の観点でさらなる支援が必要になると感じました。

干場

「違いを認めること」もそうですが、「違いとどう向き合うか」が大切だということが理解できました。その意味で、今回のケーススタディはとても学びになりました。ただ、アンコンシャス・バイアスについては、もう少し時間をとって深掘りできたらよかったかもしれません。

室田

そうですね。最後にハラスメントの話にも少し触れたのですが、別の研修として切り分けた方が良かったかもしれません。内容が盛り込みすぎて、やや情報過多になってしまったのではと反省しています。

村瀬

ケーススタディは盛り上がった一方で、その振り返りや解説にもう少し時間を割けられれば、より腹落ちする内容になったと感じました。特に今回は全社員向けではなくマネージャー層向けだったため、「マネージャーとしてアンコンシャスバイアスにどう向き合うか」という視点もあると、より実践的な内容になるのではないかと感じました。

室田

おっしゃる通りですね。研修の組み立ても工夫していかなければと思っています。今後も必要であれば、DE&I推進の施策や既存研修への組み込みなどについても、お気軽にお声がけください。今後の研修計画にもDE&Iの切り口を入れるご予定はございますか?

干場

そうですね。DE&Iは組織全体に定着させるには時間がかかるものなので、息長く取り組んでいく必要があると感じています。引き続きよろしくお願いいたします。

研修風景

参加者の声

研修にご参加いただいた方からのコメントを、一部ご紹介いたします。


日頃から、自身が思い込みが強い傾向にあると自覚していましたが、研修を通して意識して自身のアンコンシャスバイアスを考えるきっかけなりました。また、多様性=いわゆる性別や国籍等のわかりやすい違いをイメージしていましたが、それだけでなくそれぞれの価値観や常識も多様性の1つである事と、アンコンシャスバイアスは悪い事ではないというのが今さらながら目から鱗でした。ありがとうございました。


ご説明部分とディスカッション、休憩の配分がバランス良く、3時間あっという間に感じました。アンコンシャスバイアスについて、もう少し腹落ちしたかったなぁと思いました。(自分のアンコンシャスバイアイスに、言われてみて気づいた! みたいな経験をしてみたかったです。)


今回の研修を経て、3か月後くらいで何か変わったか?について、具体的な適用例など、追加アンケートがあってもいいかも?と思いました。


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