【勉強会報告】女性管理職ロールモデル不在問題の本質を考える(2025年10月27日)

2025年10月27日にDE&I研究会で第19回目となるランチ勉強会を実施しました。今回のテーマは「ロールモデル不在問題」です。
多くの企業で女性管理職比率向上の課題に取り組んでいますが、なかなか数字として実績が見えていないのが実状です。その中で女性管理職のロールモデル不在が女性管理職比率上昇のハードルになっているという声を多く聞きます。果たして本当にそうなのでしょうか?

  • ロールモデルがいないとなぜ女性管理職は増えないの?
  • 男性管理職はロールモデルにはならないの?

そんな疑問とともに、女性管理職のロールモデル不在問題の本質を日経クロスウーマンアンバサダーとしてもご活躍の株式会社ポラリスジャパン 代表取締役/野田千帆さんと考えました。

【勉強会概要】

  • タイトル:女性管理職ロールモデル不在問題の本質を考える
  • 登壇者: 株式会社ポラリスジャパン/代表取締役 野田千帆氏
  • 実施日:2025年10月27日 12:00-13:00
  • 勉強会概要:
    • データから見る女性ロールモデルの不存在
    • 私のキャリアの歩き方
    • ロールモデルについての考え方

【登壇者プロフィール】

株式会社ポラリスジャパン代表取締役 / 米国公認会計士(USCPA) / MBA / バイオテックベンチャー監査役
野田 千帆さん

・筑波大学国際経営プロフェッショナル(MBA-IB)修了
・アドラー心理学xコーチ養成講座終了/ シックスシグマ グリーンベル
・日経クロスウーマンアンバサダー

 (撮影:織田桂子)

ハネウェル、ダウ・ケミカル、アクセンチュアでのファインナンス部長職(約14年)を経て現職。日本グループ法人を管轄する経理責任者として、経営陣や各部門リーダーに意思決定支援やビジネス提案を行い、組織再編, M&A, PMIなどのリードとして推進を担う。直属チーム、海外シェアードサービスなど多国籍チームのマネジメントと人材育成にも従事。アクセンチュアでは、部門のI&Dリードを担い、メンター活動にも貢献。2025年10月、株式会社ポラリスジャパンを設立し、代表に就任。現在はリーダーシップ研修を主軸に、企業研修講師活動やセミナー、ワークショップ等を開催。


note: https://note.com/chiho_n
Voicy:日経クロスウーマンで自分磨き
※水曜日担当:キャリア(企業、仕事、転職)に関する配信を実施中

【勉強会内容】

データから見る女性ロールモデルの不存在

まずは、女性管理職比率の現状をデータから見てみました。

政府は2020年代早期に「女性管理職比率30%」という目標を掲げていますが、2025年時点での実績は11.1%にとどまり、依然として大きな開きがあります。また大企業よりも中小企業・小規模企業の方が、女性管理職比率が高い傾向にあることもわかります。

出典:帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(全国調査)」(2025年8月発表)

女性管理職比率の向上に関する調査では、「管理職になりたいと思わない理由」として、多くの人が「ワークライフバランスの悪化」や「自分自身の能力不足」、「マネジメント業務への興味の低さ」などを挙げています。

さらに、正社員として働く男女のうち61.8%が「ロールモデルの不在」を管理職への登用における課題として認識しているというデータもあります。特に女性の管理職志望者では、その割合が72.0%にのぼります。

出典:ジェイ エイ シー リクルートメント「管理職に関する調査」(2024年)

これらのデータを見て、皆さんはどのように感じましたか?あなたにとって「ロールモデル」とは必要な存在でしょうか。あなた自身は何を大切にして、どのようにキャリアを築いていきたいと考えていますか。

今回の勉強会では、まずこうした問いについて、参加者の皆さんと一緒に考える時間を持ちました。

私のキャリアの歩き方

ここで、野田さんご自身のキャリアチャートを紹介していただきました。
これまでに計6回のご転職を経験されています。

ロールモデルのいなかった20代

野田さん

最初の勤務先は貿易事務の会社でした。商社の子会社ということもあり、女性にも積極的に仕事を任せる風土がありました。そんな中、私の指導員だった先輩が出産をきっかけに退職され、その後は私も指導員にもなり、チームリーダーとして自分より年上のメンバーをまとめる立場にもなりました。貿易の仕事自体はとても楽しかったのですが、「このままでいいのかな」という漠然とした不安も感じていました。日々の業務を通じて数字を読む力の重要性を実感し、英語が好きだったこともあって、アメリカの公認会計士(USCPA)を目指す決意をしました。

当時は毎日終電で帰るほど忙しく、仕事と勉強を両立するのは難しかったため、思い切って退職しました。ロールモデルがいなかったからこそ、「自分はどうしたいのか」を深く考えるきっかけになったと思います。

管理職のきっかけ

野田さん

30代に入ってからは、外資系企業でファイナンスのキャリアをスタートしました。ロジスティクス経理や小規模企業での経理担当など、さまざまな経験を積み重ね、3度目の転職で経理マネージャーに、4度目の転職では財務部長に就きました。やりたい仕事を次々と任されるようになり、キャリアの充実度はどんどん増していきました。ただ、その過程でも明確なロールモデルがいたわけではありません。自分にとって必要だと思う人には積極的に声をかけ、そこから学びを得ながら進んできました。

キャリアの低迷期

野田さん

もちろん、失敗や挫折を繰り返した時期もあります。どん底の時期にはメンターの存在に支えられ、MBA取得に挑戦しました。仕事と学業を両立しながら2年間で修了できたことは、大きな自信につながりました。MBA卒業後に転職した会社では、特定の「ロールモデル」を追うというよりも、「この人のこういうところを見習いたい」と思える人を見つけ、周囲の多様な人々から学ぶようになりました。

ロールモデルについての考え方

「ロールモデルがいないから管理職にはなりたくない」という声もありますが、本当に大切なのは他人の軸ではなく、自分がどんなふうに働きたいのか、どんな人生を生きたいのかを考えることだと思います。

ロールモデルを必要とする場合も完璧な一人のロールモデルを探す必要はありません。パッチワークのように、さまざまな人の良いところを少しずつ取り入れて、自分だけのモデルをつくっていく。働き方、子育て、学び方、価値観、そのヒントは社内にも社外にもあります。

また、困ったときに人に頼ったり、相談してみたりすることも大切です。一人で抱え込まず、声に出したり、環境を変えてみたりすることも立派な選択です。他者の視点を取り入れることで、自分の軸がより明確になっていきます。

「いないロールモデルを探す」よりも、自分がどう生きたいかから始めることが何よりの出発点です。犠牲ではなく、自分の軸で働き、生きる。そして他人の良いところも取り入れ、自分のキャリアや人生に組み合わせていく。それが、自分らしいロールモデルのつくり方なのではないでしょうか。

勉強会後半は質疑応答も行い、ランチタイムの1時間という短い時間の中で、学びの多い時間となりました。ロールモデルとは特定の誰かの真似をすることではなく、自分らしく働き、生きるためのヒントを見つけていくプロセスなのだと改めて感じました。誰かの生き方を参考にしながらも、自分の軸をもって選択していくこと。その積み重ねが、やがて次の世代へのロールモデルにつながっていくのかもしれません。野田さん、貴重なお話ありがとうございました。


【DE&I研究会】

2023年4月に立ち上げたダイバーシティのすすめにて運営するコミュニティで、勉強会やコミュニティ形成を通じて、以下2つを実現できる場として設立。

  • 本当に意味のあるD&Iが何かを共に考え、行動に繋げる原動力とする
  • 自分の周囲を変えられる力を養い、会社に左右されない自分自身の望むキャリアや働き方を見つける

DE&I研究会では毎月1回ペースでランチタイムに勉強会を実施しています。

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