こんにちは!7月25日にダイバーシティのすすめが運営するコミュニティ「DE&I研究会」にて初回イベントとなる「働く女性がホンネを語る座談会」を実施しました。
今回ご参加いただいた方は全員、大企業での勤務経験があったこともあり、社内に長く根付く「文化」に対する違和感についてさまざまなご意見を共有してもらいました!
【概要】
- タイトル:働く女性がホンネを語る座談会
- 実施日:2023年7月25日18:30-19:30
- 目的:働く中で日頃感じている違和感を言葉にして、新たな一歩を踏み出すきっかけに
- 参加者:計6名(ファシリテーター含)
- 目次:
- 座談会
- 最近感じたモヤモヤは?
- 社会に出て10年程度…入社してから変化は感じますか
- 経営層に対して思うことは?
- まとめ
- アクションを考える
- 座談会
【ファシリテーター】
- 氏名:室田 美鈴(むろたみすず)
- ダイバーシティのすすめ代表、ダイバーシティ経営コンサルタント
- 経歴:新卒で総合商社入社後、コンサル会社へ転職。結婚後、夫のブラジル駐在に帯同し、「駐在妻」という立場になり、日本に根付く性別役割分担に強く違和感を抱き、DE&Iに興味を持つ。2023年2月に帰国し、現在はフリーの人事コンサルとして働きつつ、D&I経営コンサルタントとして独立。
- 氏名:清水 美ゆき
- D&Iコンサルタント
- 女性活躍推進、D&I専門の人材開発・組織開発コンサルティングを行うWisH株式会社の代表を10年間務め、現在はフリーのコンサルタントとして活動中。D&I施策の携わった企業は100社以上を持つ。全く違う分野での活動も行い、書き続けたブログの読者数は約2500名。現在も発信中。
【DE&I研究会とは】
2023年4月に立ち上げたダイバーシティのすすめにて運営するコミュニティ
勉強会やコミュニティ形成を通じて、以下2つを実現できる場として設立
- 本当に意味のあるD&Iが何かを共に考え、行動に繋げる原動力とする
- 自分の周囲を変えられる力を養い、会社に左右されない自分自身の望むキャリアや働き方を見つける
※詳細はこちら
メンバーは随時募集しております!ご興味ある方はぜひ一度ご連絡ください!
【当日の様子】
今回は30代/大企業での勤務経験ありの方々3名の方々に、10年間の社会人経験を通じて感じたさまざまなモヤモヤを共有いただきました!
テーマ1:最近感じたモヤモヤは?
“飲み会で「海外駐在の内示は断るなんて論外」と言われた”
→共働き世帯が半数を超えているのにパートナーの同意なく勝手に駐在を考えられなくない?
“職場で「家庭の事情を考慮する」という言葉は女性に向けてしか発せられない”
→家庭のことを担うのは女性だけじゃないよね?
“会社が女性管理職比率目標を達成できないのは、20年前から女性を採用していないからと言われた “
→売り上げ目標とかだったら絶対そんな言い訳しないよね…?
“女性自身も(これまで男性上司の経験が多いから)女性上司より男性上司の方がやりやすいと感じている人も結構いる”
→女性自身もバイアスがあり、全員の意識を変えていく必要がありそう…
テーマ2:社会に出て10年程度…入社してから変化は感じますか?
“コロナによって形骸化していた制度が使われるようになったり、少しずつ変わってきた。例えば、飲み会は絶対参加/途中帰宅不可だったり、上司がいたら会社から帰れないという文化は薄れたと思う “
→今思えば、本当に意味のないルール、文化だったと思います
“ハラスメントは減少したと思う”
→気にして接することはいいことだけど、必要なコミュニケーションまで減っているケースもあり、根本的に「多様性を認める」ということを理解できていない人も多いと感じる
“リモートワークが増えたことで、逆にオフィスにいる人(≒奥さん専業主婦の男性多め)が内輪で政治を回してる感じも感じる”
→形は変わったけど、結局育児と両立している人などが疎外されている…
テーマ3:経営層に対して思うことは?
10年間社長としてさまざまな経営層の方と対峙されてきたファシリテーターの清水さんから経営層がDE&Iの施策に対する考え方を伺い、その上で参加者の皆さんが感じる思いを共有しました。
“D&Iがトレンドだからとりあえず研修をやっているという風に見える”
“経営層は他人事で当事者意識が薄い、「現場の問題」だと思っているのでは?”
“トップは変えなきゃと思っているかもしれないけど、現場の部署長レベルの人たちは、本質を理解していないし、ちゃんと考えたこともない人が多そう”
会社のトップの危機感がなかなか現場に届いていないという現状をお互いにシェアすることができました。
モヤモヤを共有後、自分ごととしてこれらの課題を考えるために、個人ワークで以下を考え、皆さんに向けて発表いただきました。
・自分の「理想の働き方」/理想と比べて今は何点?
・それに向けて明日からできるアクション
参加者の皆さんが各自が自分の理想の働き方を実現するためのアクションをとても具体的に考えられていることにとても勇気づけられました!
【イベントを通じて】
今回のイベントで企業で働く方のホンネを聞くことで、企業が抱える共通の課題が見えてきました。
“組織の中に自分と近しい属性の人がいることで一定の『心理的安全性』を担保できる“
- 何かのイベントに一人で参加するとき、性別や年齢、職務経験など、自分と共通点がある人が会場にいたら安心できるもの。性別といった1つの属性のみで括るのは雑だが、自分と近しいと思える属性の人が組織に一定数いることが安心感を醸成するのも事実。
- したがい、さまざまな属性の人で組織を構成することで社員の「心理的安全性」を高めることができる
“トップが考えていることが現場に伝わっていない/管理職層の理解不足や変化への抵抗感が社内の分断を引き起こしている“
- 経営トップは人材確保などの観点からD&Iについて本気で推進したいと考えているものの、実際の現場では「なぜやるのか」「なにをすればいいのか」が理解できていなかったり、理解不足ゆえに変化への抵抗が強まったりしている
- また経営トップが現場の働き方を正しく理解できておらず、無理な改革を押し付けているケースも
“課題を “現場の問題”/”上長の問題”/”組織の問題”/”個人の問題”など、自分ごととして捉えず、誰も目標に対してコミットをしていない“
- ”組織の問題”とはすなわち、所属する人全員の問題。しかし課題の本質への理解が不足していることなどによって、社員が人まかせになったり、「なにからやればいいのか」「同じ悩みやもやもやを抱えているか」わからず、一人で悩んでしまうケースが発生している
- 経営層も”現場の問題”として、現場任せの改革推進になりがち。経営層は危機感を持っているが、目標実現を心から信じられていないケースもある。経営層が改革推進にコミットし、先導することが改革成功のカギになる。
【最後に】
今回のイベントにて企業で働く女性のリアルな声から、多くの企業が抱える共通課題が浮き彫りになりました。
課題を認識しつつも、自社のみで改革を進めるには、知見やリソースの確保など、ハードルが高いと感じる方もいらっしゃると思います。
ダイバーシティのすすめではダイバーシティ&インクルージョンに関する改革推進の支援策としてコンサルティングサービスや研修提供などを行っております。ご興味ある方はぜひ一度お問い合わせいただけると嬉しいです。
ダイバーシティのすすめが提供するサービスはこちら。
企業の文化や組織風土は一人一人の意識に基づき作られているもの。変えていくためにはとても骨が折れる作業です。変えていくためには経営層へ働きかけるだけでなく、私たち一人一人の発信や行動も重要です。
DE&I研究会では社内で違和感を持った人たちの繋ぐことで変化へのモチベーションやここでの知見をぜひ自社に持ち帰ってもらい実践してもらいたいと思っています。 今後も「働く女性がホンネを語る座談会」は定期的に開催していきたいと思っておりますので、ぜひご興味ある方はご参加いただけると嬉しいです!
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