基礎知識編

正解は「a.」です。

D&Iとは「Diversity＆Inclusion」の略称です。 最近ではDEIやDEIBなどと言われることもありますが、その中で含まれる「D」「I」も全てDiversity/Inclusionとなります。

正解は「d.」です。Diversityとは多様性、Inclusionとは受容性/包括性と訳され、「個々人の多様性を認め、チガイを受け入れ、活かすこと」を目指しています。

答えは「b.公平性」です。全ての人を同じように扱い、機会や資源を同じだけ利用できる平等性だけでなく、同じゴールたどり着けるように個々の状況に合わせた支援を行うことを「Equity＝公平性」も重要です。

この中で誤っている「b.」が答えになります。 D&Iを進めることで特定のカテゴリの人が優遇されるのではなく、「働く全員が望んだ働き方ができること」「正しい競争環境で機会が平等に与えられること」が実現できます。 働く全員が平等に機会を得るためには、特定のカテゴリの人への支援が必要です。（例：産休/育休、生理休暇など）こういった施策が「Equity（公平性）」という考え方に基づいて実行されています。

「1.~4.の全て当てはまる」が正解です。ここに記載したもの以外にも多様性という言葉が含む属性は無数にあります。 性別や年齢、人種といった目に見える違いだけでなく、性的志向や家族構成、宗教など、一見わからない違いも多様性の中に含まれます。自分自身がどのカテゴリにおいてマジョリティなのかを認識しておくことが大切です。

正解は「a.」で「1. 離職率が下がる」と「3. イノベーションが起こりやすい」でした。働く全員が望んだ働き方ができることで離職率が下がるという雇用の安定性だけでなく、多様性が活かせる組織では多様なニーズを拾えることで「イノベーションが起こりやすくなり」業績にも良い影響を与えるとと言われています。

正解は「b.」で「1. アンコンシャスバイアス」「3. 年功序列制度」「4. 性別役割分担意識」となります。 日本の組織では特に年功序列制度（年上の方が偉い）や性別役割分担意識（男は仕事/女は家庭）といった価値観がアンコンシャスバイアス（無意識の偏見）として根付いていることで、DE&Iが進まないと言われています。

「1.~4.の全て当てはまる」が正解です。1.~4.は全て性別役割分担意識に基づく「ジェンダーバイアス」の一例となります。ジェンダーとは性別に基づく、文化・政治・宗教的な価値観のことを指し、その価値観が固定化し、偏見を持ってしまうことを「ジェンダーバイアス」といいます。誰しもがバイアスを持っていますが、不用意にこういった発言を他者（特に子どもや部下、パートナーなど）に向けてしまうことで、相手の可能性を無意識に狭めてしまう可能性があります。

正解は「c」です。回答に悩まれた方も多かったのではないでしょうか。今回の発言を言われた「育休明けの社員」の性別はどちらだったでしょうか？ 実は問題文には性別が記載されていませんでした。回答に悩まれた方は、もしかするとバイアスのある発言をされた社員の「性別」が固定化されているのかもしれません。 育児と仕事を両立しているのは女性だけではありません。 また家庭を大切にすることと仕事を頑張ることは両立できますし、個人によって家庭と仕事のバランスは異なります。 周囲が配慮しているつもりでもそれが本人の希望に沿わず、逆に不満になることもあるため、個々人の考えやキャリアをしっかりと聞いた上で仕事のアサインを行うことが重要です。

正解は「a」です。こちらも1つ前の問題と同じ構造です。 体育会出身の新入社員の性別は問題文には記載していませんでした。 「体育会出身」「夜遅くまで働く/飲みに行く」と紐づく性別は「男性」の方が強いと感じている人が多いと思います。 今回も問題は正解した方が多かったと思います。1問目で意識していなかったことが今回の問題では意識を向けたことで正解できたのです。つまいバイアスとは自覚し意識すれば、簡単に言動を変えることができます。人間誰しも、バイアスを持っているので、悪いことではありません。自分がどんなバイアスを持っているか知り、何かを判断する際に意識をして決断を行うことが、DE&I実現の第1歩となります。

正解は「d.」です。日本は男女賃金格差がOECD加盟国の38か国中、36位でOECDの中で下から3番目にランクしています。 日本の正社員の男女賃金格差は男性が100に対して、女性が78.2、非正規雇用者も含めると75.7となります。 1位のルクセンブルクは99.6、2位のベルギーは98.9、OECD平均は88.6となり、日本でも改善は進んでいるが世界で比較すると未だ遅れていく状況です。 日本よりも下にランクしているのは37位ラトビア（75.1）と38位韓国（68.8）となります。

正解は「c」です。産休（産前産後休業）は出産の行うための休暇であり、「女性」しか取得できません。（原則、出産前6週間以内、出産後8週間以内） 一方で出産後に取得できる育休/育業（育児休業）は、「男性/女性」ともに同じ期間取得可能です ※注：「産後パパ産休」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、こちらは「出生時育児休業」の通称です。女性は出産後、8週間は産休として休業を取得するため、「出生時育児休業」の取得者の大半はパパであるため、このような通称がつけられています

正解は「a」です。 依然として男性の半数以上（51.5%）が育休を取得しても2週間未満という状況で、男女に大きな乖離があります。 （参考：2週間～1か月未満：13.2%、1か月～3か月未満：24.5％、46日：従業員1,000人超の企業の男性の育児休業平均取得日数） 最近では従業員が1,000人以上の大企業において男性育休取得率を公開しなければなりません。そのため有給休暇が残っていたり、短期間でも育児休業を取得してほしいと会社から依頼されるケースもあるそうです。 したがい男性の育休取得率だけでなく取得日数も確認することが必要です。

正解は「ｃ」です。社会的にマジョリティでないことをマイノリティと表現します。社会的マジョリティの構成要素は複数あり、全ての要素でマイノリティであるケースは稀です。 自分自身のマジョリティ性とマイノリティ性を把握しておくことで、自分自身の社会での位置づけを正しく認識できます。

【マジョリティ性（一例）】※当てはまらない方がマイノリティとなる

・出生時に割り当てられた性：男性

・性的志向：異性愛

・出身地域：大都市圏

・性自認：シスジェンダー

・学歴：大卒以上

・家族構成：両親が健在

・身体/精神：健常者

正解は「d.」です。 性的志向とは、自分がどんな相手に恋愛感情や性的な関心を持つかということを示します。一方で性自認とは、自分自身が自覚する性が何なのかということを表します。 性自認の内、身体的な性と自覚している性が異なることをトランスジェンダーと言います。他にもゲイやレズビアンと表現されるのは性的志向になります。 なお性的志向も性自認は幼少期からの成長過程で変化したり、グラデーションが存在するため、現在では認知のためにさまざまな名称がつけられています。

正解は「b.」です。自治体や企業単位で婚姻関係と同等の権利を認めるケースが増えていますが、行政が行う公的なサービスにて実施できることは限られています。 パートナーシップ制度で認められていないこととして、パートナーの遺産相続とパートナーの子供の親権者となることが挙げられます。 そのため現在全国各地で同性婚が認められないのは「憲法第14条：法の下の平等」に反するとして裁判が行われています。

【パートナーシップ制度では適用されない公的サービス】

・パートナーの遺産相続 ・パートナーの子供の親権者となる ・健康保険の被扶養者になることができない ・戸籍には何も記載されない 【パートナーシップ制度でも適用可能なサービス例】 ・生命保険の受け取り ・クレジットカードの家族カード作成 ・企業の福利厚生等 ・手術の同意/病院での面会 ・公営住宅への入居申込時に同居親族として容認

「1.~4.の全て当てはまる」が正解です。DE&Iは最近注目を浴び、やらないければならないことと感じている方が多いと思います。一方でなぜやるのかどうやるのか、という部分は未だに浸透していないと思います。 DE&Iはトップダウン、ボトムアップ双方で実施しなければ、実現できません。 これまでの習慣を変えていくは大変骨の折れる作業ですが、働く人が全員働きやすくなるにはどうしたら良いのか、ぜひ自分事として考えてもらえると嬉しいです。