【勉強会報告】AIを活用し「D&I推進に必要な組織風土と変化に向けたポイント」を考える(2024年8月30日)
8月30日にDE&I研究会で第10回目となるランチ勉強会を実施しました。今回は「組織風土の変革」をテーマに、自組織の組織風土を振り返り、さらに「組織風土を変えるためにどうすればよいのか?」についてChat GPTも用いながら考えてみました。
【勉強会概要】
- タイトル:AIを活用し「D&I推進に必要な組織風土と変化に向けたポイント」を考える
- ファシリテーター:D&Iコンサルタント 清水 美ゆき
- 実施日:2024年8月30日 12:00-13:00
- 研修概要:
- 組織風土とは
- 自組織の組織風土を考える
- 変化に向けたポイント
【ファシリテータープロフィール】
【勉強会内容】
1. 組織風土とは
「組織風土」とは、組織を構成するメンバーの間で明確化され、共通認識となっている独自の価値観やルール、考え方を意味し、会社の仕組みや従業員の思考・感情・行動など、さまざまなものに大きな影響を及ぼすとされています。
他にも、人材成長率・定着率や労働生産性、業績などにも影響するとされており、この「組織風土」の醸成・改革がVUCA時代1といわれる現代や、DE&Iの推進には必要不可欠です。
「組織風土」は主にソフト面、ハード面、メンタル面の3つの要素から構成されています。
ソフト面は、従業員一人ひとりの価値観や行動、人間関係によって醸成されるもので、目に見えない要素であるため、実際に組織の中に入ってみないと分からなかったり、同じ会社でも部署によってまったく違う「組織風土」を持っていたりすることがあります。具体的には、チームワークやコミュニケーション、従業員のエンゲージメント、上下関係や勢力関係などがあげられます。
ハード面は、組織において明文化された制度やルールによるもので、目に見える要素であるため、組織風土改革を進める上で取り掛かりやすい要素といえます。具体的な例として、企業理念や経営理念、行動指針、コーポレートガバナンス、人事制度、業務プロセス、リスク管理体制などがあげられます。
メンタル面は、ソフト要素の中でも従業員の精神面や心理面に強く影響する要素のことを指します。具体的には、自発的な行動ができているか、コミュニケーションが活発か、挑戦や変化を柔軟に受け容れられているか、ボトムアップの姿勢が見られるかなど、従業員のモチベーションを左右する重要な要素になります。
2. 自組織の組織風土を考える
では実際に自分の組織の風土について、考えてみましょう。勉強会では、経済産業省が作成するダイバーシティ経営診断シートを用いて、参加者の皆さんにワークをしてもらいました。特に「組織風土」欄の中で最も当てはまるもの、最も当てはまらないものはどの設問だったか、結果を振り返ってみました。
参加者の中には「社員は自分の意見を気兼ねなく発言できる環境」ではあるものの、「異なる意見や価値観・考え方を尊重し合える環境」ではないと答えた方もいて、社員の発言を聞くことはできているけれども、それを尊重し、組織風土に反映することができていないという意見がありました。
また設問内の「活発なコミュニケーション」や「多様な人材」は個々人によって、その感覚やイメージが異なるため、同じ組織内の人でも言葉の解釈によって回答にバラつきがあると思います。
このように解釈や捉え方は人それぞれなので、たとえ社員一人ひとりが発言しやすい環境が整っていたとしても、マネジメント層などの権力のある人たちの尺度によって「組織風土」の要素が捉えられてしまっている可能性があります。
3. 変化に向けたポイント
組織風土に似た言葉として、企業風土、組織文化、社風があります。
これらを組織→人間にたとえて、定義を捉え直してみると、
- 組織風土:これまで培ってきた性格
- 組織文化:性格や時代の動向を反映した価値観
- 社風:性格と価値観が生み出した人柄そのもの
と表現することができます。
性格・価値観・人柄などは、自組織にいて感じるものも違えば、良い組織風土・文化・社風といった目指すべきものも人それぞれ異なってくるはずです。したがって組織全体で「組織風土」について考える場合には、それぞれが自組織をどのように捉えてどう解釈しているかというのを知ることがまず必要になってきます。その手法として「対話」は欠かせないプロセスです。
一緒に仕事をしていれば、仕事上のやりとりを通じてある程度の性格は分かりますが、たとえば仕事のモチベーションや、何を実現したいか、どういう状態でありたいかなどの価値観を知るためには、仕事上のやりとりとは別の「対話」が必要になってきます。
対話をすることで「関係の質」を高めることができます。挨拶は最も簡単な対話ですが、当たり前のことのように思えて出来ていない人も実際には多いと思います。挨拶や感謝の声かけなしに、信頼関係や一体感の醸成はできません。まずは一人ひとりが自分にできることを考えて意識するところから「関係の質」を高め、そのやり取りの中で目指すべき姿を共有することで「良い風土」を共通認識として持っていくことが大切だと感じました。
ランチタイムの1時間という短い時間の中で、学びの多い時間となりました。これを機に自組織の風土を見直し、「良い風土とは何か?」、「そのためには自分に何ができるか?」について考え、ぜひ実践してみてください。
【DE&I研究会とは】
2023年4月に立ち上げたダイバーシティのすすめにて運営するコミュニティ
勉強会やコミュニティ形成を通じて、以下2つを実現できる場として設立
- 本当に意味のあるD&Iが何かを共に考え、行動に繋げる原動力とする
- 自分の周囲を変えられる力を養い、会社に左右されない自分自身の望むキャリアや働き方を見つける
メンバーは随時募集しております!ご興味ある方はぜひ一度ご連絡ください!