「私の仕事は私が決める」シリーズ第1回~会社の制度を活用して望んだ働き方を選択する~
今後コラムではD&Iに関する情報に加えて、自分自身が仕事を通じてやりたいと思ったことに向かって、新しいチャレンジをしている方へのインタビューも掲載します!自分自身の仕事の選択肢を増やし、やりがいやモチベーションを高く働くために必要なことを一緒に考えていきたいと思っております!
その名も「私の仕事は私が決める」シリーズ!
今回は第一弾として総合商社の事務職として入社後、やりたい仕事や働き方を実現するために社内でチャレンジをした橋本さんにインタビューを行いました。
橋本さんは事務職から総合職に職種を転換し、その1年後に自ら手を挙げて全く異なる部門に異動をした経験をお持ちです。当時の思いやチャレンジした経緯、今の仕事の環境などについてお伺いしました!
まずは、入社時のことを聞かせてください。
新卒で総合商社の事務職を選んだ理由を教えてください。
ゼロから価値を生み出し、世の中のニーズとニーズをつなぐ企業に入りたいと思った中で総合商社はビジネスの全てのフェーズに関与できるので魅力的だと感じ入社しました。
就活時はエントリーシート提出直前までどちらの職種で選考を受けるか迷いました。迷った結果、事務職を選択したのは海外駐在に魅力を感じていなかったことです。急に2-3ヶ月後に見知らぬ国で働くことが求められる総合職の働き方は私としては長期的に働き続けられると思えなかったことが理由の1つです。
また事務職でも希望者は海外研修員制度や海外出張も経験できると聞き、一般的な事務職よりも地域総合職に近い働き方ができると感じ、今の会社を選びました。
入社後に働き方や仕事の内容にギャップを感じたことはありますか?
入社前は「事務職は駐在がないだけで業務内容は総合職と近い」と聞いていましたが、実際は事務職しかやらない事務作業があるなど、総合職と事務職で仕事内容の違いを感じました。与えられた業務をこなしたうえで、チームや上司に相談し若手総合職の仕事も積極的に任せてもらってはいましたが、実際は自分の希望する業務に取組める時間の確保は難しかったです。
続いて、チャレンジ前後について教えてください。
5年間事務職として働いた後に総合職へ職種変換をされ、そのさらに1年後に自ら手を挙げて部門間異動をされたかと思います。具体的にどのような経緯だったのでしょうか。
就活中から迷いながら職種を決めたこともあり、入社後に事務職の業務内容や働き方に違和感を感じたら総合職への転換を検討するつもりでした。受験資格を得るまで一定年数がかかるため転職を考えたこともありましたが、総合商社でヘルスケア事業に携わりたいという学生時代からの想いが強かったため、転職はせずに総合職への転換試験の受験を決意しました。職種転換して1年後に、たまたま希望するヘルスケア部門への人員募集が出ており、これはチャンスと考え、自ら手を挙げて異動をしたという流れです。
職種転換試験を受ける際の上長や周囲の反応はどのようなものでしたか。
直属の上長には受験を検討している意向は伝えており、応援してもらっていました。担当案件で関わっていた周りの総合職の方にも応援してもらえて、受験対策を手伝って下さった方もいます。一方で周囲の事務職の方々には不合格となった時に恥ずかしいという思いから、受験について公表していませんでした。合格後はとても反響があり、職種や部署を超えて驚きと前向きなコメントをもらいました。
一方で総合職に転換後すぐに異動希望を出したことに対しては周囲から反応はどのようなものでしたか。
一部上長からはネガティブな反応がありました。総合職へ転換直後に異動希望を出したことに後ろめたさがあり、異動希望を提出したことは周囲に全く伝えていませんでした。その影響もあり「せっかく総合職になるために応援してあげたのに…」と言われたこともあります。ただ学生時代からの想いに基づいた行動であることを知り、ほとんどの方からは挑戦したいことを思い切りやってほしい、やれる環境が揃っていてラッキーだね、かっこいい!等と心から背中を押してもらえました。
現在/未来に関して、
現在の自分がやってみたいと思っていた仕事に取り組んでいて実際にどう感じていますか。
やりたいと思っていた仕事に全力で打ち込めるという点がとてもよかったと感じています。以前は既存案件の管理業務が多く、総合職では自分で新しい案件を作ってみたいと考えていました。異動後の部門ではゼロからの新規案件を担当でき、入社時に想像していた仕事ができていると感じています。会社から与えられた環境だけではなく自分で選択をした結果、希望通りの働き方や仕事ができているので充実した生活を送れています。
今の仕事を行う中で大変だなと感じることはありますか。
自ら希望したものの、完全に新たな領域であることによる知識不足に加え、前の部署で総合職としての仕事を十分に経験せずに異動したので未経験の業務に取り組む機会が多い大変さはあります。会社の文化として総合職は若手時代に(過度と思えるほど笑)多くの周囲の方々から業務内外問わず、さまざまな指導をされますが、事務職は比較的指導を受ける機会が少なかったと感じるので不安に感じることもあります。
最後に、チャレンジしてみて感じたことを教えてください。
仕事をする上で大切にしていること、価値観はありますか?
自分が楽しいと思うか、心からやりたいと思えるか、やっていることに自信を持って仕事内容を人に話せるかを大事にしています。以前転職を検討した際に、総合商社の人材はジェネラリストであり社外の人に自分はこれが出来ると説明できるような能力や専門性が身につきづらいと感じました。これからは働く上での選択肢を増やすためにも自分の武器や専門性がみにつくよう意識し働いていきたいと思っています。
今回社内の2つの制度を活用し、やりがいのあるお仕事をされていると思いますが、その中で社内の制度や働き方に対して何か感じることはありますか?
総合商社の事務職に関しては当社だけでなく同業他社も似たような悩みを抱えている人が多いと友人から聞いています。時代の流れと共に案件や仕事内容、社員数が変わっているのに事務職の役割や働き方について、社内で方針が決まっていないと感じます。会社から明確なメッセージがないため、直属の上長や案件次第で事務職の役割や業務内容は大きく変わってしまい、連続性がありません。自分で柔軟に働き方を決められるという良い面もありますが、働き方や価値観の多様化が進む中、上長含め社員たちが考え方をアップデートし制度を見直す必要があると思います。
また、30代後半から40代で育児をしながら働いている女性総合職の数が圧倒的に少ないことも課題と感じます。私の現在の担当案件であれば、時差もなく一定の裁量もあるので育児と仕事を両立できそうと感じますが、今後他の案件の担当になった際に長く働き続けられるのかは不安があります。女性総合職の離職率が高いと感じるので退職理由をしっかりと受け止め、会社側でさらなる環境の整備が必要なのではないかと思います。
一時は転職は考えたものの、自分のやりたいことをしっかりと考え、会社の中で自ら道を切り拓いた橋本さん。自分自身の働く上での価値観を持ち、実現していく姿はとても素敵だと感じました!
働き続けることへの不安は誰にでもあります。先の不安ばかりするのではなく「今」をどう充実させるのかも大切だなと感じさせてもらうことができました!
ありがとうございました!