CASE9 千葉市男女共同参画センター様「女性向けエンパワーメント講座:こうあるべきを解放し、自らのありたい姿を考える」
研修セミナー

女性向けエンパワーメント講座
[研修タイトル] 「こうあるべき」を解放して、仕事も自分もアゲる!
[実施日] 2025年1月18日 10:00‐12:00(2時間)
2025年2月1日 10:00‐12:00(2時間)
研修概要
- 実施方法:対面式
- 対象:千葉市内在住・在勤の女性
- 当日参加者:14名(対面)
- 研修アジェンダ
- 無意識のバイアスを知る
- バイアスに気づき、克服するために
キャリアや人間関係、家庭・・・とさまざまな悩みを抱えながら働く女性たち。多くの悩みには「ジェンダーバイアス」が潜んでいることを知っていますか?自分の中にある「女だから○○」といった思い込みの存在を知ることで、自信を取り戻し、自分らしいキャリアを目指すきっかけとしていただけるよう研修を実施しました。
講座を企画した千葉市男女共同参画センターの向後様に講座の企画・実行についてお話を伺いました。

講座を実施した背景・きっかけ

まずは今回の講座を企画された背景について、改めてお聞かせいただけますか?

はい。私たちは現在、「第5次千葉市男女共同参画ハーモニープラン」で掲げる5つの基本目標の達成に向けて、さまざまな取り組みを進めています。その中でも、基本目標I「あらゆる分野における女性の活躍」、基本目標III「ワークライフバランスの実現の第一歩」の実現を目指し、女性のエンパワーメントに力を入れています。千葉市が令和3年度に行った意識調査では、「男性は仕事、女性は家事・育児」といった考え方に、実に45%の方が賛同しているという結果が出ました。
「男性は仕事・女性は家事・育児という考え方について」

この数字が示しているのは、無意識のうちに私たちの中にジェンダーバイアスがすり込まれてしまっているという現実です。だからこそ今回は、「ジェンダーバイアス」や「アンコンシャス・バイアス」について学ぶ機会を通じて、自分自身の考えだけでなく、社会構造そのものが無意識の偏りを生んでいるという現状に気づくきっかけにしてもらいたいと考えました。加えて、同じような悩みや葛藤を抱える方同士が対話を通じて共感し合える場を設けることで、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と思えるような安心感を提供したいという思いもありました。
講座を実施したことでの気づき、感想

実際に2日間講座を実施してみて、どのような手応えがありましたか?

講座実施の背景には、実力のある女性たちが働き方を制限されていたり、自分でキャリアを「諦める」選択をしてしまっていたりする現状がありました。今回のプログラムでは、室田さんの豊富な経験をもとにした講義とワークを通じて、そうした構造に気づくきっかけを受講者に提供できたと感じています。特に印象的だったのは「人生振り返りシート」を使った価値観の棚卸しです。失われていた価値観や、自覚していなかった自分自身の気持ちを認識することができた方が多かったようです。私自身も、専業主婦だった母の姿が、自分のキャリア選択に少なからず影響していたんだなと気づくことができました。前職(保育士)を選んだのはライフステージが変わっても働きやすいというイメージがその延長にあったんだと、客観的に振り返る機会になりました。

その気づきはとても大きいですね。弊社も事業として女性を対象にコーチングをさせていただくのですが、自分自身と向き合う、自分の価値観を知るという作業に手こずるクライアントさんは結構多いです。大変な作業ではありますが、自己理解や自己信頼を深めることで、結果的に自己肯定感も高めることができますよね。

受講者の皆さんからも、「自分の考えを言葉にすることで大切にしている価値観に気づくことができた」、「他の人の話を聞いて気づきを得られた」といった声を多くいただきました。アンケートでも特に多かったのが、「グループワークがよかった」、「誰かに話を聞いてもらえたことで充実感が得られた」という意見です。普段あまり思い出すことのない過去を含めて、自分の人生を振り返る時間になったという実感があったようです。

2日間の取り組みを通じて、自己理解と他者理解の両面において深い学びがあったというのは、講座として非常に大きな成果ですね。今回のこのような講座を企画いただいた中で感じた難しさや、「もっとこうだったらよかった」といった課題はありましたか?

今回の講座は30~40代の働く女性をメインターゲットとして想定していたのですが、実際に参加いただいた方々は想定対象年齢よりも上の方が多かったです。ターゲットとしていた女性たちは、家庭と自分のことを天秤にかけたとき、家庭を優先し講座参加を断念してしまったのかなと感じました。一時保育は設けていましたが、本当に聞いてもらいたい方にもっと参加してもらいたかったという感覚があります。

わかります。私自身も、平日は働いているのだから、土日くらいは子どもと過ごした方がいいかなという見えないプレッシャーを感じることがあるので、そういった状況で自己研鑽の時間を捻出するのはなかなか難しいですよね。

一方でオンライン講座も多く開催されているケースもある中で、今回対面式で14名もの方に参加いただけたのはとてもありがたいことでした。40代の方の参加が少なかったのは、やはり土日の午前中という時間帯がネックになっていたのかなと思います。たとえば平日夜6時からの開催や、仕事帰り、仕事の合間にも参加できるような工夫をしていきたいです。また、オンライン開催の環境も整えていけたらと思っています。

日程や形式を柔軟にすることで、より多くの方に参加の機会を与えられそうですね。
今後の方針

今後、取り組みの中で力を入れていきたいと考えていることはありますか?

今後は、男女共同参画の視点をさらに広げていきたいと考えています。今回は女性向けの講座でしたが、性別や年齢に関係なく、いろんな立場の方が気軽に参加できるような場づくりをしていけたらと考えています。

すてきですね。個人だけでなく企業向けの意識変革やそのアプローチの仕方についてなどの研修も行えるので、またぜひお声がけください。今後も多様な働き方を支える仕組みづくりに一緒に取り組んでいけたらと思います。

参加者の声
ワークショップにご参加いただいた方からのコメントを、一部ご紹介いたします。
自己探索的な講座だと思っていなかったが自分を見つめ直す時間になった。グループの他の人と話しながら自分を見つめ直す良い機会となった。
性別役割分担に関するバイアスを意識するきっかけになった。バイアスって何?というところからの受講だったので、貴重な学びができた。
とてもよい講座だと思います。もっとたくさんの人に受けてほしい。いろんな立場(バリキャリ以外)の人にあるバイアスの例を知れたらもっとよかった。