最近では企業に対してD&I(Diversity&Inclusion)、DE&I(Diversity,Equity&Inclusion)の実現が求められるようになってきました。

一方でD&I(Diversity&Inclusion)、DE&I(Diversity,Equity&Inclusion)実現に向けて社内改革を進めろと言われても自分たちにどのようなメリットが見えづらいとただただ業務負荷が上がるだけだと感じてしまいますよね。

本日はD&I、DE&Iを進め、多様性を認め合う企業になるとどんなメリットがあるのかについて解説します。

ダイバーシティ経営の実現がもたらすメリット

1. イノベーションが起こりやすい

多様な人材が意思決定層に存在するとさまざまな社会的なニーズを拾うことができるため、より広範なニーズに応えられ、イノベーションが起こりやすいと考えられています。2017年のBCGの調査によれば、多様性のスコア※1 が平均以上の企業の方が平均以下の企業に比べて新規事業での収益比率が19ポイント高いという結果が出ています。

※1 多様性のスコア:マネジメント層の「性別/年齢/出生国/職歴/前職のバックグラウンド/学生時代の専攻」の多様性をスコア化

2. 企業収益が改善する

またMcKinsey&Companyによる2019年の調査によれば、経営層のジェンダーの多様性が高い企業は低い企業に比べて同業種平均を上回る収益を得ることができる可能性が25%高く、2014年の調査開始以降、その確率は上昇している模様です。

またジェンダーだけでなく民族多様性の高い企業も同様の結果を得られているとのことで、多様な価値観を持った人が意思決定に参加している企業は収益改善が見込めるというデータも出ています。

3. 優秀な人材が確保できる

日本では少子化に伴い、労働人口の減少し多くの企業で人手不足が続いています。少子化は今後さらに加速すると見込まれており、内閣府の令和4年版高齢社会白書によれば、労働人口は2021年では7,450万人ですが、2065年までに4,529万人まで減少すると試算されています(約40%減少)。

今後優秀な人材の確保は各企業の急務となり、働き方の改善や従業員のエンゲージメント向上を図る必要があると考えられています。

今回は社内改革を行い企業イメージを刷新したことでこれまで採用できなかった人たちの採用を可能にすることができるようになったという成功例を紹介します。

大橋運輸株式会社では社内改革の手始めとして女性の積極採用を行い、短時間勤務の女性の管理職登用なども実施しました。当時は現場の反発も大きかったようですが、管理職の長時間労働という負のイメージの払拭や新規事業開発にもつながり、ダイバーシティ経営企業100選にも選ばれることができ、結果的に女性だけでなく外国人といった多様な人材の採用を可能になりました。

4. 労働生産性が改善する

個々人の多様性受け入れ、意思決定の場でもその個性を発揮できる企業文化を構築することで、社員はエンゲージメントが向上し心理的安全性が高まると言われています。心理的安全性が高まると個々人の労働意欲が高まり、労働生産性が改善すると言われています。

一方で個々人の多様性やニーズを受け入れていくためには、一定のコミュニケーションコスト増も見込まれます。そのため社内の制度や業務内容の標準化といった社内の見直しも同時に行うことで、労働生産性の改善を見込むことができると言えます。

なぜ今取り組まなければならないのか

ではなぜ今こういったD&I(Diversity&Inclusion)、DE&I(Diversity,Equity&Inclusion)の実現が求められるようになってきたのでしょうか。

1.ビジネス環境の変化(VUCAの時代)

【これまで】

これまでのビジネス環境では、ある程度の未来が予測可能であり、業務の積み上げが事業成長につながると考えられていました。

上司や先輩が業務遂行の「答え」を持っており、その明確な目標に向かって各自がそれぞれの役割を果たし、一丸となって頑張ることが求められていました。

「過去の経験=価値」となるため、年功序列制度が有効な制度として機能しており、社員の価値観や仕事の進め方において同質性が求められていました。

【現在】

一方現在はVUCAの時代と言われ、ビジネス環境が早いスパンで変化し、予測不可能性や複雑性が高まっています。

過去の成功例が必ずしも正しいとは限らず、変化に柔軟に対応でき、自分自身で考え行動できる人材の重要性が高まっています。

実績や成果によって評価されることが好まれ、また迅速に変化に対応するため、多様な意見を取り入れられるオープンなコミュニケーション環境や風土が求められています

このように現在ではビジネス環境が大きく変化しているため、企業のあり方も変化していかなければならないというフェーズに来ています。もし企業内の風土や意識を変えられなければ、企業存続の危機に陥る可能性も大いにあります。

2. 労働人口の減少

上にも書いた通り、日本は少子高齢化が進行し、労働人口減少が進んでいる中、人材確保は企業存続の重要なテーマとなっています。とある調査では9割以上の企業で人員が不足しているという結果も出ています。

企業が先んじてDE&Iを進めることで、他の企業と差別化を図ることができ、優秀な人材確保に繋げることができます。

3. 若い世代の価値観がアップデート済みである

Deloitte/2022年 Z・ミレニアル世代年次調査(2022)によれば、ミレニアル世代(1988〜1997年生まれ)やZ世代(1998年以降の生まれ)世代の多くは企業の社会的責任やインクルーシブな組織づくり、サステナビリティへのコミットが高ければ高いほど企業へのロイヤリティ(≒帰属意識)が高いという結果が出ています。

また若い世代はSNSなどを利用し自ら発信をすることや変化に向けて声を上げることにに抵抗がない世代とも言われています。若い世代の価値観を認識し、企業に定着させるためには企業側も変化をしていく必要があると考えられます。

4. 政府/投資家からの外圧

昨今では投資家の投資基準にDE&Iの観点での判断要素が含まれることが増えています。ESG(Environment/Society/Governance)投資と呼ばれる環境・社会・企業統治という観点で企業を評価し投資判断を行う投資金額が年々増えています。

取締役会に女性がいない企業への投資を拒否する投資家やダイバーシティ施策を打っていない企業は長期的な成長は見込まれないと判断する投資家も増えています。そのため各企業は自社の数値公表を進めており、またこのような投資家が増加する中、各国の政府も企業のDE&Iに関する情報開示の義務化を進めています。

上場企業では2023年3月期から有価証券報告書に「人的資本に関する情報開示」が義務化されました。内閣官房の人的資本可視化指針によれば、ダイバーシテシティの関連項目においては、女性管理職比率/男女間賃金格差/男性育児休業取得率などの数値及び改善に向けた施策に関する情報開示が求められています。

このような情報開示は今後上場企業だけでなく中小企業にも順次広がっていくため、今後の投資家や採用にも大きな影響を与える可能性が高く、各企業は改善をしていく必要に迫られているという状況です。

いかがでしたでしょうか。本日はD&I,DE&Iって何でやらなきゃいけないのか、どんなメリットがあるのか、なぜ今なのかという点について解説をしました。

社内の改革には必ず痛みや負荷がかかります。しかしその変化を嫌っていては、企業はジリ貧となり、ひいては企業の存続が危ぶまれる可能性すらあるのです。他の企業よりも早く着手し変革を行うことができれば、企業競争力や差別化の源泉となることができます。

変化をしたいけど一歩踏み出せないという方、ぜひ一度お問合せいただければ幸いです!

いつやるの?「今でしょ!」

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